【住まい情報!】イギリスで賃貸物件探しから退去まで

皆さんこんにちは。ロンドン在住のサトコです。ロンドン生活を始めて早10か月目になる私ですが、最初に悩ましかったのは、物件探し、契約をしてから入居し住み始めてから分かる設備の不備トラブルなど様々ありました。本日は皆さんに英国生活で私が実際に体験した内見から契約までの流れやその際に利用したツール、契約後の設備トラブルと解決方法、対策などをシェアしたいと思います。

目次

2023年現在 ロンドンの不動産マーケットの状況

コロナの終わりと共に物価の高騰が始まったイギリス経済。不動産価格ももれなく天井知らずに上昇しロンドンの賃貸価格も昨年と比較し14.3%も上昇したと言われています(参照記事

物件探しの時期はいつが適切か?

不動産価格にも季節があり在庫が多い時期と賃料が安い時期は反比例する傾向にあります。人々の異動が多い時期(学校、職場の異動時期やバケーション時期、日照時間が長い時期)人々の異動が少ない時期(年末年始、仕事納め、日照時間が短い時期)に分かれます。グラフは2022年の不動産価格の動向で、価格は春から秋にかけて価格が上昇しているのが分かります。

繁忙期)4月~9月     在庫数が増加し価格が上昇する

閑散期)10月から3月     在庫数が減少し価格は下落する

私がロンドンに移住したのは2022年12月。時は年末で世間は仕事納めムードかつ不動産価格は脱コロナで全体的に前年同時期と比較しても、ぐんぐん伸びている最も難しい時期に物件探しを開始し、とにかく紹介物件がないという状況が続き、沢山の不動産屋を回っても紹介してもらえる物件は各不動産店につき1件程度か、紹介できる物件がない所も多かったです。もし時期を選べるのであれば、物件探しの時期は考慮すべきだと実感しました。物件が多い春から夏がいいか?在庫は少ないけど賃料は下がる秋から冬がいいか?皆さんそれぞれの事情によると思います。私の体感で12月、1月の物件探しは、とにかく寒い、在庫なし、エージェントも年末年始でやる気がないの三重苦ではありました(笑)が残り物には福がある的な物件に当たる事もあります。コロナ後の特異な状況でしたから、今後は少しずつ落ち着いて行くと思いますが季節により在庫や賃料は変わると言うのは念頭に置いておくといいと思います。

物件探し編

アプリやWebサイトでざっくり地域と物件を探す

まずは物件探しでどんな地域に住むか?現在の平均賃貸価格は?住みたい地域の治安や人種は?今はアプリやWEBサイトから物件や地域を探すことが可能です。日本でいうSUMO的なRightmoveやZooplaの2つは携帯アプリもありますので携帯でアプリから物件探しもお勧めします。地図から探せるので目星をつけた地域からざっくりを探すのに便利でした。また家探しの前に住んでみたい街や地域の情報、治安なども日本とは違い重要な項目になりますのでこちらで紹介いたします。

1, Rightmove オンラインで探す不動産サイト

2, Zoopla   オンラインで探す不動産サイト 

3, London Government ロンドン政府のサイトで地図から地域ごとに現在の月々の賃貸不動産価格が見れます。

4, Crime Rate エリア別犯罪率ランキング 郵便番号から検索ができます。

5, London Demographics Map Portal 宗教、人種、民族、人口、家族形態などがエリア別で確認出来ます。

6, Locrating イギリスの学校のランキングサイトで地図から検索可能です。

 月極か?週極か?・・・サイトに行くと分かるのが月極(PCM)と週極(PW)があります。大抵は両方記載が多いですが、たまにPWだけ記載もあるのでしっかり確認が必要です。

 気になったら即問合せ!・・・不動産サイトは記載されている物件も入れ替わりが速く、すでに契約済みも掲載されている場合があるので気になったらなるべく早く問合せしましょう。

 家具付き物件?家具なし物件?・・・Furnished(家具あり) Unfurnished(家具なし)に注意!!イギリスでは家具付きで貸し出しが多いです。我が家は家具家電を所持していましたので、Unfurnished(家具なし)物件を探すのに苦労しました。 サイトの中で条件フィルターに家具あり、なしをフィルターにして探すのをお勧めします。

住みたい地域の治安や人種を要確認!・・・日本と異なり、ダイバーシティなロンドンですが、エリアによって人種のマジョリティが異なり、犯罪率も地域により異なりますので気になる地域は事前に上記のような統計サイトがおすすめです。

教育レベルをチェックしよう!・・・お子さんの教育も気になるところ。お子さんの通わせる地域の学校のレベルなどが検索できます。

↑実際に内覧した物件達です。内覧はまだ現住人がいる中での内覧も多いですがセンスの良いインテリアの場合かなり好印象でしたが逆の場合はすぐに退散したくもなりました。

担当する不動産屋が適切な仕事をするか見極めよう

あくまで私目線ですが、物件を探し初めて驚くイギリスの不動産屋さんの営業レベルが極めてポンコツだという所です。

特に不動産マーケットが過剰な今は毎月のように家賃も値上がりしていて、それでも借りたい人が多い状況の場合、借主側の立場が非常に弱いと体感しました。ローカル不動産は内見の予約時間に1時間以上遅刻してきたり、物件紹介のお願いに事務所に出向いたら、あぁ。今忙しいから来月また来てくださ~いと言われたり(普通は連絡先に連絡しますと言いますよね?)

日本人エージェントの場合はサービスが借主よりも大家よりで色々制約が多い、手数料が高いなど日本語が通じる安心感があるものの費用が高いイメージでした。

では、あなたに合った不動産屋さんを探すにはどうしたらいいか??また、気に入った物件があるけど担当の不動産屋さんがきちんとしているか?イギリスには不動産屋の口コミサイトがあるので、事前に調べる事をお勧めします。

お客様はあなたで大家ではありません。相手が日本人でもローカルの人でもご自身の希望をしっかり伝えましょう

ALL AGENT

こちらのサイトは全国の不動産屋さんの口コミがあり自分の契約を任せる不動産屋さんの口コミを事前に確認するのをお勧めします。グーグルマップのレビューはサクラも多いのでこちらの方がおすすめ。

家賃以外の条件を要チェック

家賃以外にも光熱費、市民税などが住む場所によってかなり異なりますので物件探しの上で重要な項目になります。

光熱費

イギリスに住むにあたり、月々の出費の中でも比重が大きいのは光熱費で特に冬の光熱費は日本の倍以上と考えていいと思います。賃貸物件の情報掲載の中に以下のような住宅のエネルギー効率のレベルの表示義務がありますので、ここで月々の光熱費の大まかな予想が可能になります。(Aが一番効率が良くGが一番効率が悪い)賃料が安くてもFやGレベルの物件だと月々の光熱費が嵩むことになりますので、要注意事項になります。

暖房

寒いイギリスの冬は暖房システムは日本と異なり、物件によってはセントラルヒーティング式かシングルヒーティング式に分かれています。ここでは一般的なイギリスの暖房システムを紹介します。

セントラルヒーティング)

イギリス住宅の暖房で最もポピュラーなセントラルヒーティングはボイラーで暖められた温水が家屋内に張り巡らされたパイプを通して各室内のパネルに熱を送る間接式暖房。家全体が暖められるのでどの部屋も温度差がなく結露防止になる。また空気も温風式よりも綺麗に保つので健康面でも快適に過ごせる。ガス式が一般的で請求もガス代になる

エアコン)

各部屋それぞれ単体で稼働する日本の一般的なエアコンとも似ている仕組みで電気式になります。基本的にガス代よりも電気代の方がイギリスは高額なのでガス式の暖房よりも月々の請求は高くなります。また、各部屋別々に稼働するので、調整は可能な分、家全体は寒く窓の結露も気になるところです。我が家の暖房はこの電気式エアコンになります。部屋は割と早く温かくなるものの、電気代が気になり頭の中でチャリーンとお金が落ちていく音がするので恐々使用していました。個人的にはセントラルヒーティング式の暖房の方が健康にもお財布にも優しいのではないか?と思います。

カウンシルタックス

日本でいう市民税に近い税金ですが日本の市民税のように納税額が各家庭の所得基準ではなくそれぞれの住居の資産価値と所属している自治体によって金額が決まりますこちらののサイトで住みたい住居の郵便番号を入れるとValuation band(A~H)を確認して、住みたい街の公式サイトに行き各バンドの金額を確認します。各自治体により金額が異なります。下記の表は私が住んでいる街のバンドで我が家はCになります。

契約編

いよいよ気に入った物件があり契約に進めていく時に不動産屋さんを通してお互いの条件を確認します。

オファー

オークションのようなオファー

日本の賃貸事情と異なり広告に出ている金額の前後で借主希望者はオファー金額を貸主に提示します。2023年現在は不動産市場が高騰しているので人気エリアなどは広告表示金額よりも高めに提示して他の物件希望者よりも高額にオファーする人もいます。逆に物件に人気がなく長らく放置されているような物件には少し低めの金額で提示してもいいということです。この辺は日本でいうと分譲物件の時のオファーに似ています。また、この時にその他の設備のリクエストも可能になります。

我が家の場合、内見の際は前の住人が出て行った後でちょっと触りたくないレベルで汚かったですが、ロケーションと立地、値段も予算内で物件探しの時期は1月頃の新年明けたばかり。各不動産屋さんも紹介物件数も少なくて、これ以上仮住まいにも住めないという状況に迫られていて、汚い以外の条件は良かったので広告表示価格のままで、以下の内容でリクエストしました。

設備や家具のリクエスト(我が家の場合)

  1. 我が家の場合は私たちの家具家電が既にありましたのがリクエストとしてベッドルームにクローゼットをお願いしました。→前の住人が置いて行った本棚が提供されこれはクローゼットではない。いや使えると押し問答になりました。結果こちらが譲歩・・。
  2. 清掃と床の張替えをする事(風呂場のカビや各部屋のドアの落書きとドアの損傷の修復)→ドアの落書きとカーペットの張替え、壁の塗り直しは完了していたが、ドアの損傷はそのまま、風呂場のカビもそのままで、風呂場のカビは後日私がDIYで目地の塗り直しをしました。
  3. キッチン中に張り巡らされたベビーストッパーを剝がすこと→放置のままでしたので、こちらもDIY

このような条件で大家も承諾し契約に進みましたが結果とりあえず住める状態で引き渡しされました。

リファレンスチェック

Reference checksとは信用調査です。入居者が支払い能力があるのか調査します。無職や学生の場合は十分な貯蓄があることが必要となります。また入居者の在籍している企業から在籍証明書や給与証明や銀行の残高票、学生の場合は学校の在学証明書や入学許可証が必要になります。銀行はイギリス国内の契約銀行を提示する必要があります。国外から渡英されて来たばかりの場合まだ銀行の口座開設が出来ていないという事もあります。大手銀行は開設まで時間がかかりますので、デジタルバンクの開設が便利です。

入居後のトラブル

イベントリーチェックインと入居後の損傷報告と修理依頼

入居時に物件内の設備やコンディションの確認を不動産業者や大家と共に確認する作業です。我が家の場合は壁、ドアの落書き、絨毯の張替えは完了していましたが、クローゼット、窓とドアの損傷、キッチン設備のコンロの1カ所損傷、バスルームの壁のカビなどは放置されたままでした。バスルームは自分で目地の塗り替えをしてしまいましたが、その他は未だ修理に来てもらえてません。我が家の場合ですが、実際に修理の依頼や退去時の過剰請求の対策として以下のようにしました。

1,不動産屋へ損傷部分の写真と苦情を定期的に送る(無視されますけど)

2,窓の損傷(開閉が出来ない)だけは流石に夏が来る前までに直さないと訴えると、圧強めに伝えたら4か月目にやっと修理しにきた。

↑お願いしたベビーストッパー撤去はそのまま、コンロは4つのうち1つとオーブンが壊れていましたが絶賛未解決中(多分迷宮入り)です。

解約や退去編

日本に帰国する、または違う物件に引っ越しとなるといよいよ物件の解約に入ります。解約についてはまだ未経験なので、知人の話などを参考に以下の通りにまとめました。

大まかな流れ

  1. 退去の通知を出す(条項により希望退去日の何か月前か変わるが一般的には30日前または60日前)
  2. 引っ越し(家具や私物の搬出)
  3. 業者による室内清掃(退去前日)
  4. インベントリーチェックアウト(退去日当日)
  5. 敷金の返金(退去から15日から一か月後ぐらい)

中途解約(Break Clause)

各物件の契約条項により解約の条件は変わりますが一般的には6か月以降でないと中途解約が出来ません。入居から7か月後から解約通知が可能になります。我が家の場合は半年後に中途解約は入居から7か月後の30日前から通知が可能とされていました。

契約満了(Fixed Term)

契約満了から60日前または30日前に契約満了通知を出す必要があります。

イベントリーチェックアウト(Inventory check out)

入居時にイベントリーチェックインを基に壁や設備の損傷を確認する作業です。大家や不動産業者と物件内のコンディションを確認します。

内覧は退去前に来る(Property View)

退去や契約更新をしない旨を大家に伝えると大家側も新しい借主探しが始まります。多くの場合の契約が退去前1~2か月前に内覧希望者があなたの住んでいる物件の内覧に協力する旨が記載されています。私たちも多くの内覧で現住人立ち合いの元が多かったです。実際に前に住んでいる人の雰囲気や家具や荷物が収納されたままの状態は自分たちが入居した時のイメージにもなり、個人的には良くも悪くも参考になりました。掃除やデコレーションが美しいお家は狭くても好印象だったりしました。

まとめ

いかがでしたか?我が家もまだ未経験の退去について、色々と調べていると心配になってきた私ですが、改めて我が家の契約を見直す良い機会になりました。契約は英文で日本人の私たちにはハードルが高いですが、翻訳サービスを使って隅から隅まで確認するのは改めて重要な事だと思います。余談ですが実はクローゼットのリクエストの際に夫がリクエストの欄Closet for bed room?と手書きで走り書きをしました。契約は他の物件を内見している最中に、やっぱり前の内見した物件がいいからオファーしたいとなり、その場でサササーと契約をしました。その際にリクエストの後にと思わず記載し、後にとあったからクローゼットの用意の契約は無効だと言われこちらが譲歩することになったと言う背景があります。メモ書きでも契約書は契約書。こちらの契約書の重みは日本のそれより重しと最後にお伝えしておきます。

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この記事を書いた人

雨が一年に数回も降らない砂漠地帯のUAEから雨の国イギリスへ移住して早半年目。夫の国の選択センスに疑問を抱きながらも、イギリスの街のどこを切り取っても美しい街並みと自然を満喫中です。駐在における悩みや国際結婚、文化の違いを楽しくお届けします!

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