Open House Londonで建物探訪

毎年1回、ロンドンで開催される「Open House London」をご存知でしょうか。

普段は立ち入ることができない歴史的建造物や公共施設、優れたデザイン建築物の内部が無料で一般公開され、多くの人が街歩きや建物探訪を楽しむ、大人気のイベントです。

建築や街づくりの知識が全くなくても、ステキな建物を見かけたときに、中はどんなふうになっているのか気になることってありませんか?

このイベントでは例年800以上の建物が見学可能施設としてリストアップされ、その中には、歴史的建造物や現代デザインの建築物だけではなく、英国首相官邸を含む政府官庁や、各国大使館、教育機関、一般の方の住宅までもが対象となっていて、延べ20万人以上の方が参加しているそうです。

ところが…今年は例年のような開催は難しく、いったいどうなってしまうのだろうと心配されていました。

 

1.Open House London 2020 開催

今年はこれまで以上の主催・ボランティアの方々のご尽力により、実際に見学できる場所・人数を限定したり、オンラインでバーチャルガイドツアーを配信したり、と対策をとられた上で、9月19日(土)・20日(日)に開催されました。

Open House London 公式ホームページ

Open House Festival — Open City

オンライン配信やセルフ・ガイドツアーの紹介も含めると、458ものプログラムが行われました。

Open House London 2020
Free entry to London’s best buildings (19–27 September 2020)

今回実際に訪れることのできる場所としてハイライトされたのが、ロンドン警視庁の庁舎「ニュー・スコットランド・ヤード」や「連合王国最高裁判所」。そしてロックダウン後から沈黙の時が流れている「ロイヤル・オペラ・ハウス」。バックヤードの見学に加え、なんとそのステージに立つことができるという30分間のガイドツアーがありました。

Take a Bow
Find out about Take a Bow at the Royal Opera House. The Royal Opera House is opening its doors to the public as part of Open House London weekend, giving visito...

これが無料とは!ぜひ参加したい!と筆者も切望し、事前予約開始と同時に応募サイトへアクセスしましたが、なかなかつながらず、結局チケットは取れず。噂によると開始から10分と経たぬ間に定員に達したとか。

 

2.St. Paul’s Cathedral の Triforium Tour

「ロイヤル・オペラ・ハウス」のチケットは取れませんでしたが、その後開催日の2週間前に「セントポール大聖堂トリフォリウムツアー」が開催されるとの情報が!こちらのチケットも数十分で定員に達してしまったようですが、幸運にも筆者はギリギリ取ることができ、行ってきました。

Open House London - Triforium Tours
Triforium Tour of St Paul's Cathedral: see the "Harry Potter" staircase, the view from the West Gallery and Christopher Wren's Great Model

ロンドンの有名すぎるスポットなセントポール大聖堂。今回のプログラムは、大聖堂見学で一般的に訪れる身廊(1階部分;Naveと呼ばれる)ではなく、”トリフォリウム”という、2階部分にあって建物をぐるりと回るように作られている廊下の部分を見せていただけるというものでした。筆者がこのプログラムを選んだ理由には、映画「ハリーポッターとアズカバンの囚人」の中に何度も出てきた螺旋階段に入ることができる、ということもありました。(軽いノリですみません)

メインではない入口から内部へ入り、ボランティアの方の誘導により、身廊を足早に通り過ぎ、施錠されたゲートを抜けると、そこがお目当ての螺旋階段!

螺旋階段を上りきったところに、ボランティアガイドの方が私たちを迎えてくださいました。ロンドンの建物にある螺旋階段の中でも、ここの螺旋階段はその美しさは指折りなのです、とおっしゃっていました。

そのあとはガイドの方のお話を聴きながら、トリフォリウム内をぐるりと見学。

トリフォリウムから唯一身廊が見える場所から見渡すと、同じ建物でも違うものが見えてきます。天井の造り、装飾、色彩がぐっと目の前に迫ってきます。すぐ後ろを振り返ると、大聖堂西側の外の風景が見えます。

身廊からは見えない廊下を進むと、実はたくさんの部屋や歴史的価値のある大聖堂に関係するものの展示がされていました。1666年のロンドン大火で焼失した当時の大聖堂の外壁のがれきや、その後の再建に際し、現在の大聖堂の建築を手掛けたクリストファー・レンが最初のアイデアとして提示し不採用となった大聖堂デザインの縮小モデルなどもありました。

ガイドの方がとても丁寧にご説明とご案内をしてくださり、気づけばたっぷり1時間!飽きることなく、あっという間の時間でした。それだけセントポール大聖堂は、その裏側までもが歴史的にも建築的にも、見どころ・聴きどころが多いのだと思いました。そして、これが無料で体験することができるのもオープンハウスならでは、と思いました。

いかがでしたでしょうか。オープンハウス初体験の筆者は今回1か所のみの見学でしたが、普段は立ち入ることができない建物内部を見て、ガイドの方のお話を聴き、貴重な経験をすることができました。事前予約不要で見学できるところもたくさんあったので、もっといろいろと回ってみてもよかったな、と思いました。

オープンハウスは、ロンドンという美しい街を作り上げている新旧それぞれの建築を間近に見ることができる、大変素晴らしいイベントです。今は安心していろいろな場所を訪れることが難しい時期ですが、主催・ボランティアの方々の取り組みのおかげで、今年も途切れることなく開催されたことに感謝するとともに、来年以降もまた継続して開催され、以前のような活気ある様子に戻ることを願ってやみません。

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