今年のイギリスの夏は寒いな…なんて思っていたら、7月後半からはぐんと気温が上がりましたね!
そして、気がつけば、いつの間にやらもう8月!
みなさん、夏休みを満喫していらっしゃることと思います。
既にバカンスの予定を立てておられる方も多いでしょう。
けれど、まだ予定が決まっていない、ギリギリまで休みを取れず、予定を立てられない、という方も、なかにはいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな方のために、急に思い立ってもロンドンから行ける、イングランドのおすすめパワースポットをご紹介します。
この夏、イングランド有数のパワースポットを訪れて、エナジーチャージをしましょう‼‼‼
ストーンヘンジ(Stonehenge)
最初にご紹介するのは、定番中の定番、言わずと知れた超有名世界遺産のストーンヘンジ。
せっかくイギリスに来たからには、一度は訪れておきたい場所ですね。
古代ケルトの祭祀場として使用されていたと言われていますが、いまだに多くの謎に包まれています。
石柱の中でももっとも古いものは5000年前の先史時代に建造されたそうです。
普段はストーンサークル内に入ることはできませんが、サークル内に入ることのできる方法があります。
普段は入場料がかかりますが、夏至と冬至の日には、無料で訪問することができます。
そして、サークル内に立ち入り、巨石に触れることもできるのです。
この日には観光客だけでなく、ドルイド教の司祭や信者が集まり、夏至/冬至を祝います。
こちらは、通常営業時間の前後の早朝と夕方(時期によって時間が変動)に実施される特別ツアーです。
30名ずつ、約45分間、サークル内を自由に歩き回ることが可能です。
ただし、石に触れることは、このツアーでは禁止されています。
筆者は4月の頭に、エクスペリエンスツアーに参加したことがあります。
霜が降りるほど寒い朝でしたが、石柱の間から朝日が昇る風景は、荘厳で幻想的で、特別な体験でした。
一緒に参加した方が「石柱はπ(パイ、円周率を表す記号)の形を模しているんだよ」と教えてくれました。
ウッドヘンジ(Woodhenge)
ストーンヘンジから北東に車で約10分の場所に、石ではなく木でできたサークルがあるのをご存じでしたでしょうか。
その名もウッドヘンジ。
紀元前2500年ごろに作られたとされ、様々な大きさの木柱が同心円状に並んだ6つのサークルで構成されています。
現在は、短い木柱が立ててありますが、建造当時は人の背丈の3倍ほどの高さの木柱だったようです。
実は、こちらもストーンヘンジと合わせて世界遺産に登録されているのですが、あまりよく知られていません。
こちらは無料で訪問することができますので、ストーンヘンジと合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ヘンジ(Henge)とは、先史時代に作られた環状の地形のことを指します。
エイヴベリー(Avebury)
「ストーンヘンジ、エイヴベリーと関連する遺跡群」として世界遺産登録されている場所です。
世界遺産としてよく知られているのは、ストーンヘンジだけなのですが、実は関連する遺跡が他にもあったのです。
ストーンヘンジの真北に位置するエイヴベリーには、ストーンサークルだけでなく、他ではあまり見られないような遺跡があります。
ストーンサークル(Stone circle)
こちらのストーンサークルは、ストーンヘンジよりも、もっと大きな円周の遺跡です。
大きすぎたせいなのか、まさかのサークルを真っ二つに分断するように道路が走っています。
そんなことをして大丈夫なのか?と気になってしまいました。
そういえば、奈良の平城宮跡も、ど真ん中を線路が走っていました。
過去の神聖な場所も、現代ではただの交通路…
こちらの遺跡は無料で見学できる上に、ストーンヘンジと違って、石に触ることが可能です。
石に直接触れることで、よりダイレクトにパワーを感じられるかもしれません。
サークル状だけでなく、まっすぐ並べて配置された石柱もあります。
シルバリー・ヒル(Silbury Hill)
上述のストーンサークルから車で3分、歩いても30分ほどの場所に、高さ30m、直径160mの大きさの、お椀をひっくり返したような小高い丘、シルバリー・ヒルが現れます。
自然にできた丘ではなく、明らかに人の手によって作られたであろうことが見て取れる形状です。
他の遺跡と同様に、何のために作られたものかは、未だにはっきりと解明されていませんが、古墳が身近な存在だった元奈良県民としては、「偉い人のお墓だろうな」と勝手に解釈しました。
残念ながら、こちらの丘に登ることはできません。
ウェスト・ケネット・ロング・バロウ(West Kennet Long Barrow)
シルバリー・ヒルから、さらに約20分歩いた場所に位置するのが、ウェスト・ケネット・ロング・バロウです。
こちらは、新石器時代、紀元前3600年頃に作られた墓とされ、50名ほどの人が埋葬されていたそうです。
シルバリー・ヒルとは違い、遠くからだとよくわかりませんが、周りの平地よりはこんもりと盛り上がっています。
大小さまざまな石が積み重ねられてできた石室内は、意外と奥行きがあり、複数の小さな部屋に分かれています。
そしてここでもやはり、元奈良県民(筆者)は、「飛鳥の石舞台みたい」と感じました。
古い遺跡や聖地は日本もイギリスも変わりはないのかも?
石室の中にツバメが営巣していて、入り口から何度も行き来する姿が見られました。
グラストンベリー(Glastonbury)
ロンドンから西に、車で約3時間の場所に位置し、毎年夏には世界最大級の野外音楽イベントが開催されることで有名なグラストンベリー。
実はイングランド最強のパワースポットとして知られている場所なのです。
最強パワースポットといわれる理由、それは、この地に『アーサー王物語』で有名なアーサー王が眠っているとされているからです。
物語の中でアーサー王が最期を迎えたとされる場所、伝説の島「アヴァロン」が、実はグラストンベリーであると考えられているとか。
『アーサー王物語』とは?
中世ヨーロッパを舞台にした騎士道物語。主人公であるアーサー王が、ローマ皇帝を倒し、全ヨーロッパを統一するという、サクセスストーリーが描かれています。
後の時代のファンタジー小説やRPGのモチーフとしても、よく使われています。
アーサー王が実在したかどうかは、今でも議論が続けられているそうです。
街中にはパワーストーンやアロマオイル、タロットカードなどを扱うお店が多数あり、ヒッピー風というか、スピリチュアル系というか、とにかく独特の雰囲気を持った人がたくさんいます。
グラストンベリー・トー(Glastonbury Tor)
グラストンベリーの街全体がパワースポットと言われていますが、その中でも一番有名なのが、グラストンベリー・トーと呼ばれる塔です(ダジャレではありませんよ)。
もともと、丘の上に修道院があったのですが、いまは尖塔だけが残っています。
丘の頂上までは、ふもとから徒歩30分ほどで到着します。
周りに高いものが何もないので、360度ぐるりと視界が開けて、とても気持ちの良い場所です。
この場所を初めて訪れた際には「奈良の若草山みたい」と感じました。
元奈良県民は、遺跡や聖地とされる場所を訪れると、なにかしらの共通点を探してしまうサガなのでしょうか…(笑)
チャリス・ウェル(Chalice Well)
グラストンベリー・トーのある丘のふもとに、チャリス・ウェルという庭園があります。
小さいながら美しく手入れされた庭には、さまざまな逸話があります。
その一つが、キリストの聖杯伝説。
イエス・キリストの血を受けた聖杯がこの庭に埋められ、その場所から水が湧き出ているというもの。
そして、その湧き水は血の味がするとか。
というか、血の味=鉄の味、ということで、鉄分が多く含有されているからなんですけどね。
この庭には妖精が住んでいる、とも言われています。
確かに、妖精が住んでいてもおかしくないような、清純で穏やかな雰囲気のある場所です。
また、ジョン・レノンはこの庭での瞑想中に名曲『イマジン』の着想を得たという逸話もあることから、ジョン・レノンファンにとっての聖地ともなっているようです。
セント・マイケルズ・マウント(St Michael’s Mount)
イングランドの西端に位置するこのセント・マイケルズ・マウント、実はあの場所にそっくりなんです。
あの場所とは、世界遺産として有名な、フランスのモン・サン・ミシェル。
実はイギリス(英語)のセント・マイケルズ・マウントも、フランス(仏語)のモン・サン・ミシェルも、同じ「聖ミカエルの山」という意味なのです。
セント・マイケルズ・マウントは、元は聖ミカエルを祀る修道院として建てられ、後の時代に要塞、教会として使われるようになったとされています。
現在でも、島内には12家族が暮らしており、庭園の管理や島の維持のために従事しています。
聖ミカエルとは?
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれの経典に登場する天使です。
新約聖書「ヨハネの黙示録」において、悪魔を倒す様子が書かれているため、西洋絵画では、鎧を身に着け、剣や槍を持った姿で表されます。
ちなみに、英語のマイケル、フランス語のミシェル、ドイツ語のミヒャエル、スペイン語のミゲル、イタリア語のミケーレ、ロシア語のミハイル、フィンランド語のミカ、アラビア語のミカイールは、どれも同じミカエルのことを指し、欧米では男女問わず人気の名前となっています。
干潮の時間になると、海の中に石畳の道が現れて、島まで歩いて渡ることができます。
このように、潮の満ち引きによって、本土から歩いて渡ることのできる島のことを、「タイダル・アイランド」と呼びます。
滞在時間が短ければ、往復ともに歩いていくことも可能ですが、お城の中を見学したり、島内でランチやお茶を楽しんだりするのであれば、行きか帰りのどちらかはボートで渡ることになります。
日帰りで行くには少し遠いので、こちらを訪問される際は、少なくとも現地で1泊されることをお勧めします。
レイ・ライン(Ley Line)
これらの場所には、実は関連性があるのです。
ご紹介した場所を線で結ぶと、イングランドを東西に横断するように一直線上にまっすぐ繋がります。
(※ストーンヘンジとウッドヘンジは少し南に逸れた場所に位置しています)
古代遺跡や聖地などを結んで描かれるこうした直線のことを「レイ・ライン」と呼びます。
イングランドを東西に繋ぐこのレイ・ラインは「セント・マイケルズ・レイ・ライン」と呼ばれ、イギリスにいくつかあるとされるレイ・ラインの中でも特に有名です。
この直線の示す方角は、夏至の日の出の方角とほぼ一致していると言われています。
まとめ
ストーンヘンジを筆頭に、イングランドにあるパワースポットをご紹介しました。
中でも筆者のおすすめは、グラストンベリーです。
晴れた日に丘に登り、頂上からイングランドの田園風景を眺めるのは本当に清々しく、心が洗われる気がしました。
ちなみに、筆者は靴を脱いで裸足になって丘を登りました。
芝生の柔らかさがとても心地よかったです。
丘の麓には、無料で湧き水を汲むことのできる場所もあります。
パワースポットから湧き出る水を飲めば、さらにエネルギーが倍増するかもしれません‼‼‼
ということで、気になるパワースポットがありましたら、この夏、ぜひ訪れてみてくださいね。