ロンドンから西に約一時間。Henley-on-Thames(ヘンリーオンテムズ)で夏に開催されるヘンリーロイヤルレガッタ。イギリスにおいて、ウィンブルドン(テニス)、ロイヤルアスコット(競馬)、全英オープン(ゴルフ)と並ぶ、夏の社交界、スポーツ界最大のイベントの一つであるボート競技大会です。2020年は182年の歴史の中で2回の世界大戦以外で初めて中止に。例年7月に開催されることが多いようですが、2年連続の中止を回避する為に今年は8月に延期になりました。東京オリンピックに出場し帰国した選手を含め、海外・国内から481人がエントリーしており、5日間で競い合います。
ヘンリーロイヤルレガッタとは?
天気の良い日にテムズ川沿いを散歩していると、ボートを漕ぐ人を見かけることがあります。イギリスではボート競技が盛んで、東京オリンピックでもたくさんの選手が活躍していました。レガッタとはボート競技(ヨット競技もレガッタと呼ばれる)のことで、ヘンリーロイヤルレガッタは世界で最も有名なレガッタです。
1839年に最初に開催され、それ以来2つの世界大戦中を除いて毎年開催されています。(ちなみに最古と言われているレガッタは、同じくイギリスのワイト島で1826年から毎年開かれてる‟COWS WEEK(カウズウィーク)”)
もともとは地元の人々の娯楽としての位置づけでしたが、のちに世界的なボート競技大会へと変化していきました。
2021年開催日程
日程 | 2021年8月11日(水)08:30~19:30 2021年8月12日(木)08:00~19:20 2021年8月13日(金)08:00~19:30 2021年8月14日(土)09:00~19:40(準決勝) 2021年8月15日(日)10:30~16:30(決勝) |
場所
Henley-on-Thames
Oxfordshire
RG9 2LY
England
レース
社会人や学生などアマチュアの選手も出場でき、5日間で300以上のレースが行われるそうです。コースの長さは2,112メートル。2艇で争い、勝者が次のラウンドに進むという方式です。一般、学生、ジュニアなどの部門の中にたくさんのレースが用意されています。

ボートに詳しくない筆者が簡単に説明すると、大きく分けて、大きいオールを一人一本持って漕ぐ‟スウィープ”と、小さいオールを一人二本持って漕ぐ‟スカル”があり、その中にさらに、1,2,4,8人で漕ぐ種目があります!
わたしたちも観戦できる?
スチュワードエンクロージャー
こちらはメンバー限定のエリアです。スチュワードエンクロージャーのメンバーになるには、2人の既存のメンバーの推薦が必要で、順番待ちは現在5年から8年の間とのこと。。過去にレガッタで競技したことのある人、またはボートスポーツに関係している人が優先されます。(関係者や知り合いがいないと、一般の人がメンバーになるのは難しそうですね。。)
また厳格なドレスコードがあることでも有名で、女性は膝下のドレスやスカート、ジャケットやブレザー、またはパンツスーツを着用する必要があります。必須ではありませんが、帽子をかぶるのが通例。

ちなみに膝下スカートがマストだったのが、今回から女性のパンツスタイルが解禁になったそうですよ!
男性はネクタイにジャケットまたはブレザーを着用する必要があります。ショートパンツ、レギンス、ジーンズの着用は不可。ドレスコードを守っていないと入場を拒否されることもあるとか・・。
https://www.hrr.co.uk/plan-your-day/dress-code/
サポーターズローンエンクロージャー
こちらは今年から新設されたという一般向けエリア。これまではレガッタエンクロージャーというエリアが一般向けに開放されていたようですが、割り当てが変更になったため、こちらが新設されたようです。ドレスコードはなしとのこと。スチュワードエンクロージャーには入場できませんが、レガッタの雰囲気を味わえるのは嬉しいですね。
チケットの価格は、ピクニックエリアが水曜日、木曜日、日曜日が£180(金曜日と土曜日が£200)。ピクニックでなければ、水曜日、木曜日、日曜日が£20(金曜日と土曜日が£25)と、良心的な一般チケットもあるようです!
https://www.hrr.co.uk/plan-your-day/tickets/
オンラインで見る
現地に行かなくてももっと気軽に楽しめる方法として、ヘンリーロイヤルレガッタのYouTubeチャンネルにて、大会当日ライブ配信されるようです。雰囲気を少しでも楽しみたい、遠方で現地には行けない!という方も、ご自宅でご覧になってみてはいかがでしょうか。
https://www.youtube.com/channel/UCk5gEr_7yZ-XKsX57qKZ1bw
テンプル島でもっと優雅に楽しむ?
競技のスタート地点にあるランドマーク、テンプル島。1771年にジェームズワイアットによって建築され、寺院のような建物と後に自然保護区として広範囲に木が植え替えられている庭園のある島です。レガッタ期間中、優雅に楽しめるプライベート会場として、レガッタ期間外はイベントや宿泊でレンタルすることもできるそうですよ。島への損害を防ぐため、許可なしに上陸はできないとのこと。レガッタに関係なく、ヘンリーオンテムズを訪れたら見ておきたい場所です。
https://www.hrr.co.uk/temple-island/
ヘンリーロイヤルレガッタ公式HP
ヘンリーオンテムズの街
季節を問わずレガッタ観戦以外でも訪れたいヘンリーオンテムズ。イギリスで最も美しい町の1つと言われています。13世紀から栄えたマーケットタウンで、上流階級の方々がこの地に邸宅を建て、現在も高級住宅街として知られています。
テムズ川は町の端、オックスフォードシャーとバークシャーの国境に沿って流れており、ヘンリー橋は見どころの一つ。訪れたらゆったりとテムズ川沿いの散歩はしたいですね。
たくさんのアンティークショップ、アフタヌーンティー・クリームティーが楽しめるホテルやカフェ、趣のあるパブ、アートギャラリーや博物館など街歩きにもぴったりです。
◆チューダー様式のアンティークショップ
「Tudor House Antiques」
◆ヘンリーオンテムズの観光名所
「River & Rowing Museum」
◆テディベアのお店
「Asquiths Teddy Bear Shop」
◆元ビートルズ・ジョージハリソンが住んでいたという
「Friar Park」
ロンドンから約1時間と日帰りでも楽しめます。レガッタ観戦でもそうでなくても一度訪れてみてはいかがでしょうか。