イギリスの1月はなぜ静か?Dry Januaryとロンドンの冬の過ごし方

日本人の私たちにとっては、1月はお正月や成人式、なかには新年会など人と会う機会が多い季節ですが、
イギリスの1月は、どこか独特な空気が流れています。

年末のにぎやかさが一気に落ち着き、街全体が静かで、少し「ドライ」な雰囲気に包まれます。
今回は、Dry January(ドライ・ジャニュアリー)を中心に、1月の様子をお届けします。

目次

Dry January(ドライ・ジャニュアリー)とは?

Dry January(ドライ・ジャニュアリー)とは、
1月の1か月間、アルコールを控える、または完全にやめる という、イギリス発祥の習慣です。
日本だと、お正月で食べすぎたあとに、七草粥を食べる習慣があるので、それと似ているかもしれませんね。

もともとは、イギリスのチャリティ団体Alcohol Change UK(旧 Alcohol Concern) が2013年に始めたキャンペーンで、2014年に商標登録されました。
Alcohol Change UKによると、Dry Januaryの参加者は2019年の約420万人から、
2024年には約850万人へと、わずか5年で2倍以上に増加しています。

クリスマスから年末年始にかけて飲みすぎた体をリセットする目的で参加する人が多く、
実際に1月はパブやバーの売り上げが下がるという内容の記事 ‘Dry January is sobering up UK pub sales’ も見かけました。
こうした傾向はイギリス国内だけでなく、他国でも「1月のアルコール売上が低迷する」という話題になっていますが、
パブ文化のあるイギリスでは顕著な変化として取り上げられています。

Dry January のような禁酒・節酒を促す動きは年々広がっており、背景には若い世代による飲酒習慣の変化やコロナをきっかけとした健康意識の高まりがあると考えられています。

街の人々は?

日本とは異なり、イギリスでは 1月2日から通常営業に戻る会社が多い です。
12月にしっかり休暇を取り、楽しんだ分、1月は少しおとなしく働く――そんな人が多い印象を受けます。

1月のロンドンは寒く、日照時間も短く、
さらにクリスマスでお金を使った直後ということもあり、
消費を抑えて「健康的に、静かに過ごす」人が一気に増える気がします。

私の同僚でも、12月に長期休暇を取り、
1月〜3月はホリデーの予定がまったくない という人が少なくありません。

冬の間は無理に動かず、室内で次の予定を考えたり、ジムに行って体を動かしたり。
リセット期間にするのもイギリスらしい過ごし方なのかもしれません。

冬の時期に気を付けたい、健康!

私自身、イギリスで初めて冬を越したときに強く感じたのは、「外の暗さ」や「乾燥による肌荒れ」。

室内で洗濯物を干しても、1日あればしっかり乾くほど空気が乾燥しているイギリス。
その分、肌の保湿やケアはとても重要だと感じます。

また、風邪をひいていてもマスクをしない人が多く、
乾燥した環境の中では、より体調管理に気を配る必要があるかもしれません。

ぼーっと過ごしていると、
気づいたら日没の15時になっていた、という日も何度かありました。
「今日は何をしていたんだろう」と、少し気分が落ち込むことも。

だからこそ、
短い日照時間でも意識的に外に出ること、体を動かすこと はとても大切だと感じています。

Kirariライターの記事も併せてご覧くださいね。

そんな時期に何をする?

「1月のロンドンは静か」とはいえ、実は1月ならではのイベントや楽しみ方もあります。

冬のセール(Winter Sales)

1月といえば、やはり大規模セール
ボクシング・デー(12月26日)から始まったセールが1月も続き、
百貨店やハイストリートブランドでは割引率がさらに高くなることも。

クリスマス前の混雑とは打って変わって、1月は比較的落ち着いて買い物ができるのも魅力です。
ただし、ショッピングモールやデパートは暖房がかなり効いていることが多いので、
お子さま連れの場合は、こまめな水分補給がおすすめです。


芸術巡りに最適な季節

ロンドンの1月はイギリス外からの観光客が少なめ。
そのため、大英博物館やナショナル・ギャラリーなどの無料ミュージアムを、ゆっくり楽しめる時期でもあります。

また、冬季限定のミュージカル・舞台の割引がされていることもあるので、
気になるものがあれば探してみてくださいね。

寒くて外を長時間歩くのがつらい日でも、屋内で文化に触れられるのはロンドンの冬の強みですね。


冬限定のライトアップイベント

クリスマスの華やかなイルミネーションが終わっても、冬のロンドンでは光とアートのイベントが継続します。
派手なクリスマスマーケットとは違い、静かな冬の夜にぴったりなライトアップやインスタレーションを楽しめるスポットがいくつかあります。

Southbank Centre – Winter Light

観覧無料の光のアート展示。
毎年冬の間、サウスバンク(川沿い)全体が光の作品で照らされるイベントで、
クリスマス後〜1月半ばまで続くので、年末年始の「冬の散歩」にぴったり!

夕暮れ時もきれいです

»Southbank Centre Winter Light
開催期間:2025年12月20日~2026年1月18日 

Canary Wharf – Winter Lights

ロンドン東部のウォーターフロントにある現代的なライトアートイベント。
金融街 Canary Wharf 全体が巨大な光のアートギャラリーのように変わります。
テーマは “DREAMSCAPE” — 海外アーティストによる光と芸術作品が見られる予定です。

2025年の様子はこちら

»Canary Wharf Winter Lights
開催期間:2026年1月20日~30日 

Battersea Power Station – Light Festival(過去開催例)

2026年の開催は現時点で公式発表はまだありませんが、
例年続いている人気イベントなので、今後アナウンスが出る可能性が高いライトアップ。


夕方〜夜の時間帯にライトアップを見るのがいちばん雰囲気が出ます。
また、これらの展示は 無料でアクセスしやすいものが多いので、散歩がてら訪れやすいのも魅力です。

まとめ

ロンドンの1月は、街全体が年末年始の喧騒から一転して、静かでドライな空気が漂う時期です。
Dry Januaryの影響だけでなく、寒い気候や日照時間の短さ、クリスマスにお金を使った余韻もあり、
人々は健康的で落ち着いた過ごし方を選びがちです。

とはいえ、1月ならではの楽しみもたくさんあります。
セールでゆっくりショッピングを楽しんだり、世界的に名高いミュージアムを人混みなく堪能したり、
冬のアート展示・ライトアップを巡るのも魅力的です。

日本とは異なるこの季節の空気感を味わいながら、ロンドンの1月を乗り越えましょうね!

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この記事を書いた人

2024年に国際結婚、そしてロンドンに移住してきた新米。趣味は旅行と散歩。最近ヨガを始めました。現在キャリアブレイク真っ只の中、イギリスでの暮らしにおける楽しみを探し中です。国際結婚や海外生活ならではの情報をお届けします。

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