イギリスで小学校に入ったら…まず学ぶことは?

唐突ですが、フォニックスということばを耳にしたことはありますか?

イギリスで子育てをしている方には耳馴染みなことば「Phonincs」フォニックスとは、イギリスの国語=英語学習で1番最初に学習するものです。日本語のあいうえお、と似ている感じでしょうか。
このフォニックスは、イギリスで小学校に入学すると学習が開始します。

近い将来、お子さまがイギリスで就学を控えている方、そうでない方も、気になる小学校での学習、フォニックスについて、筆者の子供の経験を交えてまとめてみます。

目次

イギリスの義務教育って?

プライマリースクールのレセプションから始まります

イギリスの義務教育は、5歳のプライマリースクールから始まり、セカンダリースクール終了の16歳までです。義務教育期間、公立校は授業料は無料となっています。

プライマリースクールは、レセプションと呼ばれるYear1の準備生(0年生)からスタートします。すなわちレセプションは、プライマリースクールで学習する基盤を作る1年間で、レセプションを受けずにプライマリースクールには通えないということになります。※転入等は除く

入学式ってあるの?

筆者の子供2人が、現在プライマリースクールに通っています。わが子たちが通う学校、近隣校含めても、プライマリースクールで入学式がある、と言う話は聞いたことがありません。日本のように節目を盛大に祝うセレモニーもなく、イギリスではあっさりと小学生生活がスタートするのです。

入学初日、緊張の面持ち(筆者撮影)

入学のタイミングもみんなバラバラ・・・

面白いなと思ったのは、1クラス30人制の児童が一斉に学校生活をスタートさせるわけではなく、日にちをずらして少人数グループでセトリング(慣らし)がスタートします。筆者の子供が通う学校は、それぞれのセトリング期間を経て、約1~3週間後にようやく同じ時間にクラス全員が揃って登校下校する形になりました。

Phonics フォニックス学習とは?

フォニックスとはそもそも何?

フォニックス(Phonics)とは、英語において、綴り字と発音との間に規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にさせる方法の一つである。英語圏の子供や外国人に英語の読み方を教える方法として用いられている。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

ざっくりと説明すると、アルファベットのスペリング(綴り)によって、同じ文字でも複数の発音となり、その規則を学ぶものです。「文字と音の関係のルール」を学ぶこととなりますが、プライマリースクールでは数年間かけ、パターンや組み合わせを変えて学習を進めていきます。毎日、毎週、リーディングブックを学校から持ち帰り、各家庭でも指導をするように、とお達しが入ります。

まずレセプションでは、単純に発音できるところから学習がスタート。

宿題を一緒に確認する時間を設けていますが、しっかり学校で先生の発音を習得してきて、大したもんだなぁと感心するばかりです。

フォニックスを学びながら、読む力を付けていく

レセプションでは、まず生活音を表現させる本から着手し、その後、「Sounds and Letters」絵と文字でインプットしていきます。Book1、Book2、Book3…どんどんアルファベットの数を増やしていきます。この段階では、まだ2つの組み合わせのフォニックスは出てきません。複数の単音を混えて、一つの単語となって発音することを覚えさせていきます。

p  +  i  +  g  =  pig プ+イ+グ=ピッグ
c  +  a  +  t  =  cat ク+ェア+トゥ=キャット
h  +  a  +  t  = hat ハ+ェア+トゥ=ハット

カタカナで表記してしまうと、なんだかお粗末感漂いますが、このような形で簡単な組み合わせで読む訓練を進めていき、フォニックスの2つの組み合わせ(-ck、-erなど)、発音しない-e(サイレントe)の定義など、どんどん難易度を上げていきます。

イギリスの日常生活や道徳が詰まっている学習本

Oxford Owl

出典:Oxford Owl

約8割の英国内のプライマリースクールで採択されている学習本が、イングランドのオックスフォード大学出版局(Oxford University Press)から出ているOxford Reading Tree(通称ORT)です。

登場人物は、Kipper、Biff、Chipの3兄弟の他、愛犬のFloppy、お父さんにお母さんがメインで、内容ごとにお友達や先生たちが登場します。内容は主人公のKipperを中心に日常生活から道徳、レベル(本にはステージと表記されています)が上がると環境問題、過去にタイムスリップして歴史に触れたり、多様なストーリー展開になっています。

出典:Manchester Evening News

一人ひとりに合ったレベルで進むリーディング学習

母国語ではない英語、特に小学校の途中で転入をするお子さんを持つ親御さんには心配な問題。

筆者の子供は2人共、幸いしてレセプションのスタート時から小学校に在籍をしているので、戸惑うことなく、順を追ってリーディングレベルを上げています。同じ時期にスタートしたローカルのお友達でも、得意不得意があるように、レベルのバラつきがあります。Year1の時点で2学年ほど上のレベルのものを読める子が居れば、のんびりのペースで進む子も。

Oxford Levels and Book Bands:出典Oxford Owl

一人ひとりに合ったレベルでの学習を進めていますので、いきなり知らない単語のオンパレード!$@%とはならないよう、先生もよく見てくださいますので安心していいでしょう。困った、不安だ、は先生にアプローチすることが大事です。

日本へ旅行する内容も!イギリスに留まらず、多種多様な文化や海外に目を向けたテーマも興味深いです。

現在Year2に在籍する筆者の子供は、レベル8を読み進めていますが、持ち帰って来るORT本のページ数が、1冊30ページを超えています。なかなかの単語の数が詰まっていますが、レセプションから一貫してKipper、Biff、Chipと共に学習をしてきているので、飽きもなく、楽しく学習出来ているのが最も良いポイントだと感じています。

 

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